トヨタ史上最強のエンジン 2JZ-GTE | スープラ以外にも搭載された車がある!

トヨタが誇る、史上最強のエンジンは何?
と聞かれたら2JZ-GTEと答える人が多いと思います。

2JZ-GTEは、かつて発売されていたスポーツカー「スープラ」に搭載されていたエンジンとして有名ですが、2JZエンジンを深堀りすると色々な話が出てくるのです。

そこで今回は、トヨタ史上最強のエンジンである2JZ-GTEの魅力に触れ、一時代を築いたJZ系エンジンの奥深さを紹介していきたいと思います。

平成初期からのトヨタの主力として君臨 | JZエンジンの概要

まずはじめに、2JZ-GTEが代表するトヨタのエンジンであるJZ系エンジンについて紹介していきます。

JZエンジンは、平成2年(1990年)から17年間もトヨタの主力エンジンとして君臨していた直列6気筒のエンジンです。

JZエンジンは大きく分けて

  • 排気量2,500ccの1JZエンジン
  • 排気量3,000ccの2JZエンジン

の2つに分類されます。

同じ直列6気筒のエンジンであっても、当然ながら排気量によってその味付けも全く違います。
搭載されてきた車種も違うため、ある種の「車種専用設計」といっても良いですね。

この後は、1JZと2JZ、それぞれのエンジンの特徴と搭載車種について触れていきたいと思います。

1JZ系エンジン

はじめは1JZエンジンです。
このエンジンは、トヨタの平成初期から中期にかけて数多くの車に搭載されてきました。

搭載されてきた車種は

  • マークⅡ
  • チェイサー
  • クレスタ
  • プログレ
  • ブレビス
  • クラウン
  • ヴェロッサ
  • クラウンエステート
  • マークⅡブリット

です。

マークⅡ三兄弟やクラウンといった、トヨタ主力の中級~高級セダンやその派生車種(ステーションワゴン)に搭載されていました。

さらに1JZエンジンには

  • 1JZ-GE
  • 1JZ-GTE
  • 1JZ-FSE

の3つのラインナップがありました。
1JZと2JZに共通する点ですが、1JZ-FSEと2JZ-FSEはいわゆる第二世代のエンジンで「直噴」という点が特徴です。

この中でも人気があったのが1JZ-GTEを搭載していた車種です。

1JZ-GTEは、トヨタ製エンジンをベースにヤマハ発動機が開発・生産し、トヨタに供給していたターボチャージャー付きのエンジンです。

このエンジンは

  • マークⅡ、チェイサー、クレスタ(マークⅡ三兄弟)
  • ソアラ
  • クラウンアスリート
  • ヴェロッサ
  • 70系スープラ

に搭載されていました。

1JZ-GTEは、大きく分けると2つの世代がありました。
1世代目のエンジンはツインターボ(280馬力)、2世代目のエンジンはシングルターボ(280馬力)で、同じターボエンジンでありながら毛色が違うものでした。

このエンジンが生産終了してから10年以上経過していますが、いわゆる最後の1JZ-GTEを搭載した車(マークⅡ三兄弟や17系クラウンアスリートなど)は依然人気があります。
特にドリフト競技をするユーザーにとって「チューニングや過酷な条件での走行にも耐えられる丈夫なエンジン」として定評があります。

2JZ系エンジン

2JZ系エンジンは、基本的に”1JZエンジンが搭載された車の上位グレード”に搭載されていました。

2JZ系エンジンは

  • 2JZ-GE
  • 2JZ-GTE
  • 2JZ-FSE

の3つのラインナップから成ります。

前述しましたが、トヨタの中級~高級車の上位グレードに搭載されたということもあり、NA(ターボなし)の2JZ-GEでもトルクフルな走りを実現していました。

そのエンジンをさらにパワーアップしたエンジンが2JZ-GTEです。
NA車でも最大220馬力あったエンジンに更にターボを2基搭載することにより、まさに”モンスター級”のエンジンになったのです。

その2JZ-GTEを搭載した車種は

  • スープラ(80系)
  • アリスト

のみとなっています。

まさに「特別な車」にのみ与えられたエンジンといえますね。

JZエンジンの中でも異彩を放つモンスターエンジン2JZ-GTE

ここまで、かつてのトヨタの主力エンジンであったJZエンジンについてご紹介しました。

ここからが本番です。
トヨタ史上最強エンジンともいわれの高い2JZ-GTEエンジンについてご紹介します。

2JZ-GTEの概要

はじめに、2JZ-GTEエンジンの概要です。

2JZ-GTEは、JZ系エンジンの中でも一番高い出力である280馬力を叩き出すエンジンでした。

最大220馬力あったNA(ノンターボ)のエンジンをベースに2基のターボを搭載。
当時国内における最大馬力である280馬力を実現しました。

2JZ-GTEを搭載した80系スープラが登場した時期は「280馬力規制」というものが存在し、280馬力以上のエンジンを発売することができなかったのです。

発売当時から現在に至るまで、2JZ-GTEは根強い人気があります。
その人気の背景として「優れた耐久性」があります。

特にドラッグレース(400mのレース:通称「ゼロヨン」)の場で人気があります。
ドラッグレースは、短い距離を極限状態にチューニングしたエンジンを搭載した車で走るレースです。
過酷ともいえるチューニングにも耐えうる強靭なエンジンという評判が、2JZ-GTEの人気を支えているのです。

2JZ-GTEのエンジンスペック

次にトヨタ史上最強エンジンの2JZ-GTEのスペックを見ていきましょう。

エンジンのタイプ直列6気筒 DOHC 24バルブ VVT-i インタークーラーツインターボ
排気量2,997cc
最高出力280PS/5,600rpm
最大トルク46.0kgm/3,600rpm

※VVT-iは、トヨタの可変バルブタイミング・リフト機構の呼称および技術のことです。

2基のターボを搭載したことにより、最高出力が高められました。
それだけでなく、ターボが作動する回転域をずらすことにより低回転域におけるパワー不足を補いました。

通常、1基のターボ(シングルターボ)だとターボの作動域が3,000回転から4,000回~となるので、それ以下の力不足は否めません。
ですがツインターボにすることにより、ターボが作動するまでのタイミング(ターボラグ)が軽減されます。

つまり、ツインターボは「幅広い回転域でターボのいいとこどりができる」ということです。

2JZ-GTEは、シングルターボ特有のターボラグを軽減し、力配分を最適化することにより、低回転域でもパワフルな走りを実現したのです。

2JZ-GTEが搭載されたモンスターマシン | トヨタ スープラってどんな車?

次は、最強エンジン2JZ-GTEを搭載していた、トヨタ・スープラについてみていきましょう。

最強エンジンを搭載した最強の車。
凄い魅力に満ち溢れていますよ!

スープラの歴史

最初は、スープラの歴史を見ていきましょう。

スープラの歴史をたどってみると、初代スープラがデビューしたのが1978年。
デビュー当時は、トヨタの人気スポーツカー「セリカ」の上級車種という位置づけから「セリカXX」という名前でした。

スープラは初代から数えると通算4代の歴史があります。
2代目まではスープラという名前ではなくセリカXXという名前だったのです。
これは意外ですね。

もともと、スープラという名前は北米におけるセリカXXの別称でした。
北米では「X」という名称が成人向けという意味を伴うことから、スープラと名づけられました。

北米での人気もあることから、日本国内では3代目からスープラという名前を与えられたのです。

その3代目スープラ(70型)がデビューしたのが1986年。
70スープラの愛称で親しまれたこのスープラの、いわゆる後期型に1JZエンジンが搭載されました。

そして1993年に4代目(80型)にフルモデルチェンジをした際に、最強エンジンである2JZ-GTEが搭載されることになったのです。
この80スープラは、排ガス規制による生産中止(2002年)まで最強の座に君臨していたのです。

2JZ-GTEを搭載した80系スープラ

トヨタ史上最強のエンジンである80系スープラは

  • グラマラスなデザインでありながら高い剛性のボディ
  • 最強の2JZ-GTEエンジン
  • 大型のウイング

という、見るからにスポーツカーという風貌に豪華な装備。

まさにトヨタ車におけるスポーツフラッグシップにふさわしい車でした。

外観だけでなく内装も豪華な80型スープラの特徴的な部分は「運転席回り」。
戦闘機を彷彿とさせるようなデザインがスポーティマインドをくすぐります。

内外装ともに純正でも高級感とスポーティーさを醸し出す80型スープラは、カスタムすることでより個性的なものにできます。
トヨタ純正だけでなく、アフターパーツメーカーからも数多くのエアロパーツが発売されています。

自分好みにカスタムすることができるので、車への愛着も高まりますよね!

あの映画に登場して一躍人気に

もともと人気があったスープラですが、2001年に公開された「ワイルドスピード」の主要キャラクターの”ブライアン”が乗る車として登場したことにより人気が爆発しました。

日本のエアロパーツメーカー「BOMEX」のエアロを身にまとった、オレンジ色に全塗装された右ハンドルのスープラは車好きの心をグッと掴みましたね。

スープラは、ワイルドスピードにおけるブライアンの愛車の1つとして愛され続けています。

スープラ以外にも2JZ-GTE が搭載された車がある | トヨタ アリストとは?

「トヨタ史上最強のエンジンである2JZ-GTEは、80系スープラ専用のエンジンである」
というイメージが強いですが、実はスープラ以外にも搭載された車がありました。

その車とは、かつてトヨタが販売していた車のアリストという車。
今は廃盤となっている車なので、聞いたことないという人もいるかと思います。

ここでは、トヨタ アリストについて解説していきます。

アリストってどんな車なの?

アリストは、トヨタが1991年から2005年の約14年間にかけて製造・販売していた高級セダンです。

簡単に言うと、トヨタの高級車「クラウンマジェスタ」の姉妹車です。
クラウンマジェスタがトヨタ店で専売されていたことに対し、アリストはトヨタオート店やトヨタビスタ店(現在のネッツ店)で専売されていました。

チェイサー(マークⅡ三兄弟)の上位モデルといった感じですね。

海外では「レクサスGS」として発売されていました。
この名前を聞いてピンときた方もいるかもしれませんが、現行のレクサスGSはアリストの流れを汲んだ車です。
2005年に惜しまれて引退はしましたが、レクサスGSとして今も愛されているのです。

少し話が脱線しましたが、日本国内でアリストは2代にわたって発売されていました。
その中でも2代目(最終型)は、上位グレードの「V300」シリーズにスープラと同じエンジンである2JZ-GTEが搭載されていました。

スープラとの違いはミッションです。
スープラが6速MTだったのに対し、アリストは4速ATのみ。
セダンということで、ミッションは控えめな物でした。

ですが、この国内最強エンジン2JZ-GTEを搭載したセダンはアリストしかありませんでした。
さらにスポーティで攻撃的なデザインも相まって「セダン=オジサンが乗る落ち着いた雰囲気の車」という概念を大きく逸脱した車となったわけです。

最強のエンジンに厳ついデザインということで非常に人気のあった車なのです。

一時期ブームになったことによる弊害も

2JZ-GTEを搭載したアリストは、セダンの概念を大きく逸脱したことにより幅広い年齢層からの指示を受けました。
スープラと同じエンジンを搭載していたのでパワフルだったことに加え、5人乗っても窮屈でない上に荷物も乗るということで非常に人気がありました。

人気であったがゆえに、アリストオーナーにとって大きな弊害や欠点もあったのです。

その欠点とは「よく盗まれる」ということ。

海外ではレクサスGSとして販売されていたということもあり、海外へ輸出されることもあったとか。

最近よく盗まれる車の代名詞といえば「ハイエース」や「ランクル」です。

ですが2004年当時はその2台を差し置いて、盗難されやすい車ランキングの堂々たる1位(不名誉ですが・・・)を飾ったこともありました。

スポーツカーがよく盗まれるという原理と同じで、速くてカッコいい、さらに海外でもよく売れるという3拍子が揃っていたことも原因かもしれないですね。

アリストをチューニングする猛者もいるほどの人気

2JZ-GTEを搭載したアリストをノーマル状態で乗る人もいましたが、多くの人は自分好みにカスタマイズして乗られることも多々ありました。

外見を「VIP仕様」と呼ばれるフルエアロで武装したり大径ホイールにインチアップしてローダウンは基本でした。
スープラと同じ2JZ-GTEということで、エンジンチューンをするユーザーもいます。

耐久性に定評のある2JZ-GTEですから、大きなタービンに交換したりするなどチューニングは多岐にわたりました。

さらにエンジンだけでは飽き足らず、オートマチックしかなかったミッションをスープラと同じ6速マニュアルミッションに載せ替えてしまう猛者もいるとのこと。

その姿はいわば「羊の皮を被りきれない狼」といってもいいかもしれないですね。

2JZ-GTEのライバルエンジンといえばこれ

2JZ-GTEがトヨタ史上最強のエンジンだと何度も説明をしてきましたが、最強と呼ばれるにはライバルがつきもの。
ここでは、国内における2JZ-GTEのライバルエンジンを搭載した車をご紹介します。

RB26DETT | 日産 スカイラインGT-R

2JZ-GTEのライバルエンジンはなに?
と聞かれたらこれを挙げないわけにはいきません。

そう、RB26DETTです。
RB26DETTは日産の名車、スカイラインGT-Rに搭載されていたエンジンで有名です。

排気量は違いますが、2JZ-GTEと同じ直列6気筒ツインターボエンジンということ、さらにスープラと同じ時期に発売されていたということで常にライバル視されています。

RB26DETTが1989年にデビューしているので、2JZ-GTEは後発のエンジン。
スカイラインGT-Rに勝つためにトヨタが開発した最強エンジンが2JZ-GTEといえますね。

このエンジンの特徴としては「ハイパワー&高い耐久性」でしょう。

20世紀の最後をこの2台が彩ったと言っても過言ではないですね。

13B-REW | マツダ RX-7

2JZ-GTEのライバルとして私はこのエンジンを挙げたいです。

マツダが誇る技術の結晶のエンジン「ロータリーエンジン」です。
ロータリーエンジンは、一般的なエンジンとは違って「コンパクトでハイパワー」な点が特徴。

直列6気筒という非常にヘビーなエンジンを搭載していたスープラとは対照的に、軽いエンジンを低重心に搭載していたRX-7は驚異そのもの。

ロータリーエンジンはかつてルマン24時間耐久レースを制した実績のあるエンジンですので、驚異的なライバルといってもいいと思います。

軽量でハイパワーなロータリーエンジンは、耐久性が低かったのが欠点。
高回転でエンジンを回し続けると負荷が強くなり壊れてしまう、ということも多いのです。

2JZ-GTEのチューニング | 優れた耐久性もあらわに!

最後は2JZ-GTEのチューニングについてご紹介します。
「こういった方法もあるのか」と参考になる部分や、今後のチューニング方針の参考にしてみてくださいね!

2JZ-GTE はドラッグレース向きのエンジンである

エンジンの概要の項目で「ドラッグレース(400mのレース:通称「ゼロヨン」)の場で人気がある」と紹介しました。

2JZ-GTEエンジンは類稀なる耐久性を誇っています。
そのため、エンジンに短時間で相当な負担がかかるドラッグレースの場では非常にその力を発揮しました。

ドラッグレースの場では瞬間的にパワーを出す必要があり、1000馬力は当たり前の世界です。
その中で、2JZ-GTEは最大2000馬力もの出力を出したというのです。

その際の記録ですが、ゼロヨンのタイムが6.15秒、最高速度は驚きの370.61kmをマークしたとのこと。
ジェット機にも負けないパワーを出しても壊れないのは驚きではないでしょうか。

モータースポーツにおける幅広い活躍

2JZ-GTEは、過酷なチューニングにも耐えられる非常に丈夫なエンジンということで、モータースポーツの場でも活躍しています。

特に国内最高峰のドリフト競技である「D1グランプリ」では、多くの選手のマシンに2JZ-GTEが搭載されています。


スープラはもちろんですが、ソアラやクラウンといったトヨタ車だけでなく、日産の180SXにも搭載されていました。

ドリフトではタイヤが空転するほど高いパワーが必要とされるので、2JZ-GTEのような丈夫なエンジンが重宝される、ということですね。

まとめ

2JZ-GTEは過酷なチューニングにも耐えられる頑丈なエンジンです。
元をたどると平成初期からのトヨタを支えたJZエンジンの1つですが、ここまで素晴らしいエンジンはそう簡単には出てこないかと思います。

2JZ-GTEは、20世紀が誇る日本の名エンジンとして長期にわたり語り継がれていくことでしょう。

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