日本が誇る日産の名機RB26 | 排気量の秘密や搭載車種など全容に迫る!

皆さんは「日本が誇る名機と呼ばれるエンジン」と言われたら何を想像するでしょうか。

いくつか候補が上がると思いますが、その中でも絶大な支持を誇るエンジンが日産の”RB26”ではないでしょうか。

RB26といえば「スカイラインGT-Rに搭載されているエンジン」として有名ですが、その詳細まで知っているよという人は多くはないはず。

そこで今回は、日本が誇る日産の名機RB26にクローズアップして、その全容に迫っていきます。

RB26の概要 | 特徴や馬力は?

まずはじめに、RB26とはどのようなエンジンなのか、エンジンのスペックはどのような物なのか、というところから迫っていきたいと思います。

RBエンジンの概要

RBエンジンは、日産が1984年から2004年にかけて生産していた直列6気筒エンジンのことです。

RBエンジンは「Response Balance」の頭文字からとられています。
この文字の通り「反応、バランス」のいいエンジンということですね。

ちなみにRBエンジンには複数の種類があり、

  • RB20
  • RB24
  • RB25
  • RB26
  • RB30

といったように様々な種類があります。

このRBのあとに来る2桁の数字は、そのエンジンの排気量を表しています。
ですので、RB26は排気量2,600ccということになりますね。

ちなみにRB26というと、スカイラインGT-R(R32型からR34型)に搭載されていることで有名ですね。
正式には”RB26DETT”という名称が与えられています。

この後半部分の「DETT」にももちろん意味があります。
「D」はDOHC、「E」は日産の共通ルールでエンジンに付けられている名称、「T」はターボ装着を示しています。

ご存知の通り、GT-Rに搭載されているエンジンはツインターボを搭載しているのでTが2つ記載されています。

余談ですが、シルビアのターボモデル(シングルターボ)に搭載されているエンジンはSR20DETです。
ルールを覚えてしまえば大まかなエンジンの特徴がわかりますよ!

RB26DETTのスペック

それではRB26エンジンのスペックを見ていきましょう。

ここでは、スカイラインGT-Rに搭載されている「RB26DETT」に関するスペックです。

エンジンのタイプ直列6気筒 DOHC 24バルブ
排気量2,568cc
最高出力280PS/6800rpm
最大トルク36.0kgm/4400rpm(R32 GT-R)
37.5kgm/4400rpm(R33 GT-R)
38.0kgm/4400rpm(R34 GT-R)

簡単なスペックは以上となります。

最高出力は「280馬力規制」によって上限が決められていたため(現在は撤廃)R32~R34型まで変わりはありません。
最大トルクは1989年のデビュー時から引退する2002年までの13年間に僅かですが向上しています。

日産のスポーツカーの代名詞であるスカイラインGT-Rに搭載されているこのRB26だからこそ、日産が力を入れて開発・改良を繰り返していったのだと言えるでしょう。

RB26の排気量が2,600ccという中途半端な理由

RB26について調べていくと引っかかってしまうポイント。それが排気量。

日本の排気量別の税金体系を見ていくと、1,000cc以下、1,500cc以下、2,500cc以下、3,000cc以下・・・と排気量500cc刻みの税金体系となっています。
2,600ccですと2,500㏄以上3,000cc以下という括りに分類されます。
つまり、同じ税金を支払うのであれば、排気量区分のギリギリのラインで排気量を設定した方が理論上はおトクであると言えます。

ですが、それだったらなんで3,000ccにしないで2,600ccなんて中途半端な排気量にしたのだろう?
と思いますよね?

実は、RB26エンジンの排気量が2,600ccとされたことには深い深い理由があるのです。

その理由に迫っていきたいと思います。

RB26の排気量が2,600ccの理由は当時のレースのレギュレーションにある

RB26DETTを搭載したスカイラインGT-Rがデビューしたのは1989年のこと。

当時グループAとよばれる規格で行われていた日本のツーリングカーレースの最高峰がありました。

それが「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」。

市販車をベースとして改造を施したツーリングカーで争われたレースです。
そのJTCレギュレーションのひとつに「排気量とターボ係数」というものがありました。

排気量がクラス分けのベースとなっていた当時の規程では、ターボ車に対する調整値が設けられていました。

ターボが付いている車と付いていない車とでは、エンジンの出力に大きな違いが出ていました。
同じ排気量であってもターボが付いている車の方が有利、ということです。

なので、「ターボが装着されている車に対しては相応のハンデを与えよう」ということになったのです。

そのハンデとは「ターボ係数(1.7)をかけた数字を排気量とみなす」というものでした。

排気量にターボ係数をかけた数値によって、車の装備等の条件が変わるレギュレーションだったので、これが関係しているのです。

RB26は「レースに勝つため」に作られたエンジンである

少し話は脱線します。
当時の「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」のグループA規格(RB26を搭載したGT-Rが出ていたクラス)で速かった車。
それはNA車・ターボ車ともに4,500ccを超える排気量(ターボ車の場合は係数をかけた後の数値)の車が大半でした。
ちなみにその車は外国産の車です。

排気量が大きければ大きいほどエンジンの力が大きくなる、ということは周知の事実。

同じクラスであっても排気量が小さい車はエンジン出力が劣ってしまうので、それに勝てるような”有利な条件”での参戦が許されていました。

それは「大径で幅広のタイヤの装着」「ボディの軽量化」といったもの。
大きいタイヤを装着すればコーナーでの粘りが良くなるので、タイム短縮につながります。
ボディが軽くなれば加速性能やブレーキの利きの向上、それに加えて燃費の向上やタイヤの減りが遅くなるといった恩恵を受けられます。

つまり、パワーで劣る分はそれ意外に勝れる部分が与えられる、ということです。

当時速かった車は4,500ccを超える排気量の車。
それ以下の4,500cc以下の排気量クラスに分類されれば、有利な条件(軽量ボディに大径で幅広のタイヤ装着)でレースに臨むことができます。
ボディが軽ければ「加速力」の向上、大径で幅広のタイヤを装着できれば「グリップ力(コーナリングスピード)」の向上が図れます。

具体的には、

  • 最低重量を1260kgまで軽くできる
  • ホイールサイズが純正の2インチまでアップできる
  • 10インチ(25.4cm)幅のタイヤまで装着できる

といった非常に有利な条件で参戦が可能だったのです。

つまり「他車よりより速く」走ることができる、ということです。

ターボ係数を考慮して、4,500を切る数値にするために必要な排気量というのが2,600cc。
ターボ係数1.7をかけても4,500cc未満に収まります。

RB26は、グループAの「市販車ベース」の規定に則るために、有利な条件で走行でき、かつ”速いエンジン”にするため。
極端な話が「レースに勝つため」だけに2,600ccという市販車としては非常に中途半端な排気量になったということです。

RB26エンジンが名機と呼ばれる理由

平成の初期に発売されてから30年近くが経過しているのにも関わらず、根強い人気を誇っているRB26エンジン。
なぜ、このRB26が名機だと呼ばれ続けているのでしょうか。

これには2つの理由があります。

それは「速さ」と「耐久性」。

次はこの2つに迫っていきたいと思います。

サーキットにおける「圧倒的な速さ」

「レースに勝つため」に開発されたRB26DETTが搭載されたR32スカイラインGT-Rがデビューした年が1990年。
デビューイヤーにもかかわらず、R32GT-Rは驚異的な記録を叩き出したのです。

全部で6戦あるレースは、すべて予選ポールポジション。
更に全戦優勝という、まさに完全制覇を成し遂げました。

同じクラスでライバルとなったのはフォード・シエラ。
トヨタもスープラで参戦してはいましたが、GT-Rとシエラの圧倒的な速さの前に歯も立たない状態でした。

第5戦の西仙台(現仙台ハイランド)から、R32型のGT-Rは合計で3台が投入されました。
このレースではGT-Rが表彰台を独占するという圧倒的な強さを発揮。

この時にドライバーとなっていたのが、”日本一速い男”の異名を持つ星野一義氏だったのです。
星野一義氏が駆るカルソニックスカイラインは全6戦中5勝の活躍でした。

翌年の1991年からは”ドリキン”の愛称で親しまれている土屋圭市氏もGT-Rで参戦していたことを記憶している方も多いことでしょう。

GT-Rがデビューした1990年から、1991年、92年、JTCが一区切りとなる1993年までの4年間にかけ、RB26を搭載したGT-Rは26戦全勝
この間のポールポジションや最速ラップももGT-R勢が記録するなど、圧倒的な強さを維持し、誇示し続ける結果となった。

まさに「GT-R伝説」と呼ぶにふさわしい戦績だったのです。

この華々しい戦績が、RB26エンジンは名機であると呼ばれる所以のひとつになったとのことです。

過酷なチューニングにも耐えられる優れた耐久性

2つ目に、RB26が名機と呼ばれる所以として、エンジンの耐久性にあります。

前述しましたが、このRB26エンジンの最高出力は280馬力です。
これは「馬力規制」によって280馬力以上出ないようになっていました。
納車されたてのGT-Rのエンジン出力を計測機で測ったところ330馬力出ていた、という話も聞いたことがあります。

RB26は市販状態でこそ280馬力(公称)でしたが、もともとは500~600馬力という高い馬力水準にも対応できるように頑丈に作られています。
チューニングのバランス次第ではありますが、最大で1000馬力ものパワーに耐えられるほどの耐久性を誇っているとの話もあります。

実際には、全日本ツーリングカー選手権に出場した際には、予選時には800馬力もの馬力を発生ていたようです。

現在でもRB26をチューニングして乗り続けているユーザーやチューニングショップが多いのも有名な話ですね。
名機であるがゆえに、GT-R以外の車にRB26を搭載させるといった過激チューニングも流行りました。

ドリフトレースの最高峰「D1グランプリ」では、同じ日産車のシルビアに720馬力を発生させるRB26を搭載して競技に参加したりするほどです。

ノーマル状態でこまめなメンテナンスをし続けた結果40万キロもの長距離を走破できたという結果もあるので、通常利用でも優れた耐久性を誇っているという点も魅力の一つと言えるでしょう。

RB26を搭載した特別仕様の限定車があった!その車種とは?

「RB26エンジンが搭載されている車と言えばR32~R34型スカイラインGT-Rである」
ということは、今までの内容からわかると思います。

実は、GT-R以外にもRB26が搭載された限定車と呼ばれる車があります。
ここでは、3台の限定車をご紹介しますね。

ステージア260RS

RB26を搭載した限定車といえば、この”ステージア260RS”が思い浮かぶという人も少なくはないでしょう。

ステージアは、かつて日産が発売していたステーションワゴンタイプの車です。
スカイラインやローレルと同じプラットフォームを使って、高い走行性能を維持しながら利便性を向上させた車と言えば簡単に理解できると思います。
通常グレードには、スカイラインと共通設計ともいえるRBエンジン(RB20、RB25)を搭載し、さらにサスペンション等の部品を共有していたことから「スカイラインワゴン」とも呼ばれていました。

このステージアの特別仕様車として、1997年10月に当時販売されていたR33スカイラインGT-RのRB26DETTエンジンやドライブトレーン、リアサスペンションを流用した「260RS」が日産の特装車部門(チューニングやカスタマイズを行っている会社)のオーテックジャパンが手がけました。

見た目はステーションワゴン、中身はGT-Rということで「GT-Rワゴン」と呼ばれた車です。
現在でも根強い人気があり、GT-Rのフロントフェイスをそのまま移植した通称「スカージア」といったカスタムカーも存在しています。

スカイライン オーテックバージョン

この車もRB26を搭載したスカイラインの中でも特殊な車です。
GT-Rではなく、普通のスカイラインの特別仕様車として発売されたのがこの「スカイライン オーテックバージョン」です。

GT-Rの代名詞ともいえる「RB26DETTエンジン」を”敢えて”ノンターボ(NA)化した「RB26DE」を搭載しています。
このエンジンの最大出力は220馬力とやや控えめ。
駆動方式はGT-Rと同じアテーサE-TSを搭載した4WDシステムを採用しているという、かなり気合の入った仕様にもかかわらず、設定されたトランスミッションは4速ATのみという謎仕様です。
これは、ベースとなった車両がスカイラインGT-Sという一般的なグレードだったからと言われています。

さらにボディカラーは「イエロイッシュグリーンパールメタリック」一色のみ。
外見はアルミで作られたボンネットやGT-Rをイメージさせるフロントマスク、アルミホイールを装備して、いかにも「走りそう」なもの。
拘りの部分としては、フロントバンパーにさりげなく刻印されたオーテックジャパンのロゴや、内外装におよぶ特別なエンブレム。

まさに「分かる人には分かる」マニアックであり趣のある車と言えます。

スカイラインGT-R 40th アニバーサリー

スカイラインGT-Rといえばスポーツカーなので2ドアクーペだ、というイメージが非常に強いと思います。
実際に2ドアの車しかラインナップされていませんでした。

ですが、実は4ドアセダンの「幻の4ドアGT-R」と呼ばれる車が存在したのです。

それが「スカイラインGT-R 40th アニバーサリー」です。

ベースとなる車はR33型のスカイラインGT-R。
この「スカイラインGT-R 40th アニバーサリー」は、その名の通りスカイライン生誕40周年として制作された車両で1997年12月8日に発売されました。
R33型GT-Rの2ドアボディに後部2枚のドアを追加した2ドア改4ドアGT-Rとなるため、型式は「BCNR33改」となります。

限定車ということで、生産された台数はわずか422台
発売から20年以上経過しているので、残存している車両は半分近くなっているかもしれません。

しかも驚きなのが、神奈川県警に白黒のペイントが施されたパトカー、埼玉県警へは覆面パトカーとして導入されているということ。
こんな車に追いかけられたらすぐに降参してしまいそうですね。

20世紀の最高傑作RB26は21世紀の今でも未だに現役!その理由とは?

「RB26は20世紀の最高傑作」であると言われるほど名高いエンジンです。

RB26を搭載した最初のGT-Rが1989年(平成元年)にデビューしてから30年近く経過しているのにも関わらず、街中で走っている姿をよく見かけます。
一般的に”10年10万キロが寿命”と言われている自動車ですが、なぜ未だに現役で走っていられるのでしょうか。

その理由に迫っていきたいと思います。

根強いファンが多い

何といってもこれが大きな理由のひとつではないでしょうか。

”スカイラインGT-R”というブランド。
そして”車としての魅力が非常に高い”ということ。

これらの理由からファンが多いということが伺えます。
しかも驚きなのが、幅広い年代層からの支持があるということも大きなポイントではないでしょうか。

もはや伝説となっているJTC26連勝。
このレースをリアルタイムで見ていた世代は現在の40代~70代。

2000年代に入り、R32型だけでなくR33型、R34型のGT-Rが幅広く登場した漫画やアニメ、ハリウッド映画。
家庭用ゲーム機のソフトや、ゲームセンターのレースゲームにも多く登場していました。
これらを見ていたりプレイしていた世代が今の20代~30代。

このように大人から子供まで幅広く知られているのがGT-Rであり、それが搭載していたエンジンがRB26なのです。

まさに”大人から子供に語り継がれている名車”と言っても過言ではありません

現行でもGT-Rは発売されていますが、これはRB26を搭載していません。
人によっては「RB26を積んでいないGT-RはGT-Rにあらず」と断言してしまうとのこと。

それくらいRB26はGT-Rになくてはならない存在である、と言えますね。

メーカーが部品を復刻して発売している

自動車の部品というものは通常、製造中止から10年を経過すると製造廃止されます。
R32型であれば2003年、R33型は2008年、R34型は2012年といったように、モデルが廃止された年から10年後を目安に部品の製造が止まってしまいました。
そのため、車が壊れて、壊れた部分の在庫がなくなってしまうと修理ができない状態に陥ってしまいました。

今までは、日産が作っていた部品と”同等品質”の社外部品を代用したしたりして耐えしのいできましたが、これもまた限界な部分もあります。

大事に大事に修理をして乗っているユーザーからしたら非常に心苦しい部分もありました。

そこで、日産が大きな英断を行いました。
それは「GT-Rの部品を復刻して販売する」というもの。

日産の子会社であり、モータースポーツ部門として知られているNISMOが

「NISMO ヘリテージパーツ」

として2017年より再販売したのです。

以下、NISMOホームページからの抜粋です。

「この車に乗り続けたい」
「親子二代で乗り継ぎたい」

といったユーザーの声に製造元であるメーカーが応えるという異例の展開となりました。

スカイラインGT-Rという車が、相当な魅力を持っているということが伺えますね。

現在発売されている部品のラインナップは以下のようなものが大半です。

  • ホース類(ゴム製品)
  • ハーネス類(電気系統)
  • エンブレム類

主にR32型の部品が再製造・再販売されています。

車そのものが古くなっていますから、劣化しやすいゴムや電気系統の部品が多いですね。
外装のリフレッシュをする方も多いと聞きますので、エンブレム類の復刻もされていきます。

今後はR33型やR34型の部品も復刻されていく予定とのことですので、長く乗り続けていく人にとっては朗報ともいえるでしょう。

まとめ

デビューから30年近く経過しても根強い人気を誇る名機RB26。

2,600ccという中途半端な排気量となった背景にはレースに勝つための方策がありました。
勝つためだけに作られたRB26を搭載したGT-Rは、レースで圧倒的な強さを誇り伝説を残しました。

そのRB26を搭載した特別仕様車はどれも個性的なものが多いので、中古車店で見かけたらすかさずチェックした方が良いでしょう。

エンジンそのものの耐久性は申し分ありませんが古い車となってしまいましたが部品供給もしっかりされているので、もしもの時も安心です。
RB26界隈はチューニング情報も豊富ですので、自分好みにカスタマイズすることもできますね。

RB26を搭載したGT-Rに興味がありましたら、是非ともチェックしてみてくださいね!!

関連記事

gtr

GT-R専用エンジンVR38DETT | RB26との違いに迫る!

スープラ

トヨタ史上最強のエンジン 2JZ-GTE | スープラ以外にも搭載された車がある...